写真って、保存するだけで劣化するの?

デジタル写真は、劣化しない。
もしかしたら、そんな風に思っていませんか。

 

説明は、なかなか難しいので、実験です。

開いて別名で保存を繰り返してみました。
小さい写真だと、わかりにくいかもしれません。
ぜひ、クリックで拡大してみてください。
できれば、大きな画面で。
現像したての新鮮な JPEG データと100回目の JPEG データです。

⬇︎クリックで拡大

JPEGの罠

 

同じ写真ですが 474kb と 536kb データサイズが違ってます。

JPEG保存画質

 

保存は、Photoshop CC 2018 を使って、JPEG 最高画質12で行いました。

下の写真は、保存1回目と100回目、トーンジャンプ(階調飛び)がわかりやすい部分をトリミングしたものです。

比べてみて、どうでしょうか?

JPEG保存の劣化例部分比較

最初の写真は、滑らかなグラデーションでつながっていますが、次の写真は、色と色のつながりが悪くトーンジャンプしています。


JPEG 形式が広く使われる理由は、圧縮されるので、軽くて便利だからですが、そこに罠があります。
JPEG は、非可逆圧縮方式といって一度圧縮して保存すると元には戻らないのです。

圧縮しやすいようにデータを変化させてから圧縮するわけですが、その際、誤差が生まれ、繰り返すうち、徐々に情報が失われ、劣化します。


コピー機でコピーを繰り返したらと、想像して見てください。
似ています。

理解しなくても良いと思います。
実験したらこうなるのですから、知っているだけで違って来ます。


今のところ、ディスク容量と通信時間を考えたら、圧縮しない重いデータを普段使いするわけにもいきませんから。

 

劣化させないためには、保存を繰り返さない以外の選択肢はありません。
つまり、写真を使うときは、必ずコピーを作成して使用するということです。

 

「元画像には、できるだけ触らない」のが鉄則です。鮮魚みたいですね。

 

例えば、Photoshop なら、
・・・画像を開く→イメージ→複製→元画像は『保存せずに』閉じる→コピーした画像を別名で保存して使用する・・・

の順です。


この時、コピーして別名で保存するデータは、一回だけの使用にすることが大事です。
ファイル名に日付と用途を入れて、わかりやすく保存しましょう。
『コピーは一回限り、コピーのコピーは禁止』

ここまで JPEG データについて書きましたが、「圧縮しない」を選んだ TIFF や PSD 形式のデータなら保存しても劣化しません。

めちゃくちゃ重いですが。


もし、あなたが、スタジオで写真を撮ったとき、それが大事な写真で、データを納品してもらえるのなら、「16bit の TIFF データもいただきたいのですが」と言ってみてください。
そのカメラマンが、写真大好きで、丁寧な仕事をしているのなら、そう言われたら嬉しい(ちょっと面倒だけれど)と思います。
綺麗に使って欲しいから。

 

写真の劣化は、知識があれば避けられます。

 

いろんなところに、劣化の罠が隠れていますので、数回に分けて書いていきたいと思います。

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