多摩川・1 河口水門あたり

カメラの性能

SONY α7RⅢを買ってから、カメラを持ち歩くようになった。

この日は、午前中に走っていて、ちょっといいいなと思っていた場所に、夕方もう一度戻った。
α7RⅢ1台、レンズ3本とカーボンのトラベラー三脚1本。

 

走れるほどじゃないけれど、軽い。
軽いというのは、すごい性能だなと思う。

仕事以外ではあまり写真を撮らない僕に、ちょっと写真を撮りに行ってみようと思わせてくれる。

多摩川川崎河口水門から六郷橋方面
水門から六郷橋方面

川崎河口水門あたり

川崎河口水門
川崎河口水門

場所は、川崎市川崎区港町の川崎河口水門あたり。
味の素の工場が近い。

多摩川の対岸は、六郷橋。

この水門は、好景気の中で工場用地拡大の一環として昭和3年に竣工したということだ。

頭頂部のぶどう、梨、桃をあしらったとされる装飾や手すりなどのディテールに未来のためにという思いが感じられる。

一方、90年の、決して丁寧に扱われてきたわけではない物としての変化が、風化して角が取れた石や錆びた鉄としてグッとくる模様を出してくれている。

太陽が高い時間だと感じないかもしれないけれど、ちょっと寂しいようなヌメッとした質感がある。

 

川崎河口水門の錆びた手すり

ちょっと古い、風化しかけた質感に心惹かれるのは、なぜだろう。

ノスタルジーなのだろうか。

わからないけれど撮りたくなる。

それにしても丁寧に設計され丁寧に作業されているのがわかる。
神は細部に宿る。とか、言ってみたくなる。

東京駅のような有名建築ではない、この実用的な水門だからこそ、当時の夢みたいなものが見えるような気がする。

誤解を恐れずに言えば、古い価値観を諦めさせる美しさ。
変わったことを、目に見える形で表すこと。

川崎河口水門の錆びた手すり
水門の侵入防止柵?
川崎河口水門のテラス
水面に映る夕空
川崎河口水門から六郷橋方面
河口水門から六郷橋方面

失敗と悩ましい問題・風と三脚

わかっていたことなのだが、カーボンの軽い三脚は、ブレる。


今回の三脚は、VANGURD 264CB というもの。
飛行機や新幹線でロケに行く時用に買ったもので、動きは滑らか、畳むと45CMほど、大きめのカメラバックなら中に入ってしまうし、軽い。
雲台込みで 1.3kg 。
高さもそこそこある。
ストロボでの室内撮影という条件なら、とても良い三脚だと思う。

でも、当然だけれど、長時間露光をしようとしたり、今回のように風が吹いていたら、まるで役に立たないと思った方が良い。

露光中に、ブルブル振動しているのがわかる。
上の写真も、拡大するとブレている。
プロとしては、失敗写真だ。

 

仕事なら当然、でかい アルミの Zitzo を持っていったと思う。
アルミ Zitzo は、頼れるやつ(特に5型)だ。
山の上の強風下での長時間露光でも、見事に止めてくれた。
ありったけのウェイトで固めたけれど。
そもそも、やわな三脚じゃウェイト積めないし。

でも、ちょっと撮るのにあれを持って行こうとは、なかなか思わない。
重さは雲台込みで約 4,5kg (3型)。
カメラが軽くなったのに、それが帳消しになってしまう。
何より、気分が変わってしまうような気がする。


長い間写真を撮っているけれど、軽くコンパクトで且つ頼れる、いつでも、これ一本で大丈夫という三脚には、いまだ出会わない。

悩ましい問題だ。

悩ましいと言いながら、答えは、知っている。
「美しい写真を撮りたいのなら、でかい三脚を持っていけ」と。


昨日、スタジオから Zitzo(3型)持って帰った。
使うだろうか。