写真写りが良くなるコツ 付録

光の責任

ライティングサンプル写真
左は、大きな光源でライティングしたもの 右は、一般的なカメラ上のストロボでそのまま撮影

いきなり団子の写真で、すみません。

光の違いだけで、こんなに違ってしまうことを知ってもらいたかったのです。

撮る人が、光を意識しているかどうかで、写真写りは大く変わります。

表面の質感を肌に置き換えてみたら、結果を想像できるのではないでしょうか。室内の写真では、多くの場合、天井からの照明で撮られています。

カーテンを閉めて天井照明だけの状態で、光と陰を意識して鏡で見てみるとわかりますが、たぶん、まぶたに光が当たって、目は影になり、頰や鼻の下には影が伸び暗く落ちてしまいますよね。

上下の凹凸が必要以上に強調されてしまいます。

目にキャッチライト(目の中に映り込む光)入らないことで、印象が薄くなってしまうこともあります。


彫りの深い美女ほど、写真写りの悪い人になってしまう可能性が高いのです。

ここまで書いて、「それは、私のせいじゃない」と言う声が聞こえてきそうですが、当然、これは、撮る側、カメラマンが解決すべき問題です。

僕に限らず、多くのカメラマンは、撮る前に被写体の顔を知りたがると思います。

それは、顔の形、凹凸を知った方がライティング(照明)が正確にできるからというのが、理由の一つです。


丸いか面長か、鼻の高低と曲がり、目の下のくぼみ、ほうれい線、肌の質などを考えて、光の質と方向などを組み立てます。

 

表現したいことやポージングによっても光と影が変わりますから、優先順位を決め組み立てるのが、カメラマンの撮影前の仕事です。

撮り初めの1枚目がキレイだったら、気分アガりますよね。

光と雰囲気がピタッとハマっていて、キレイと思たっら、撮影のスタートが楽しくなります。

これは、撮られ慣れたスターだって同じで、最初の一枚がイケてたら、あなた誰(初対面のカメラマンを)という顔で見ていた彼女は、ぱっと、ご機嫌になります。

フィルムで写真を撮っていた時代、最初のポラロイド写真を「これ、ちょうだい!」と言ってもらうのは、だいじな儀式みたいなものでした。

 

ライティングの腕が良く、注意深く撮影してくれるカメラマンを見つければ、たぶんそれだけで、写真写り問題の50%は、解決できます。

 


僕が、新人カメラマンで、白人系外国人の彫りの深い顔に慣れていなかったためにやってしまった失敗があります。
ホテルの部屋での撮影でしたが、ちょっとハードに撮りたくて硬い光質のライト(影がキツく出る)を使いました。アシスタントに持たせた手持ちライトで撮ったのですが、興奮していたのと条件が悪かったことが重なり、ライトの光がよく見えないまま撮影してしまいました。現像が上がって愕然、ほとんどのコマは、目が影になって真っ黒に潰れていました。白黒フィルムでも撮っていたこともあって、プリントテクニックのしつこさでなんとか切りぬけ、めでたく雑誌の表紙を飾りましたが、仕上げまでの何日かににわたって冷や汗ものでした。彫りの深い美女は危険だと知った日です。
本当は美女じゃなくてアクション系超有名男性俳優 H さんだったのですが、名前は、しばらく内緒です。


写真は掛け算

撮っていていつも感じるのは、写真は、足し算ではなくて、かけ算だと言うことです。

全て高得点なら最高ですが、そういうことは、ほぼありません。

ほとんどの項目が平均点でも、なにか突出して良い項目があると点数が上がります。

 

反対に、なにかが0点だと、その写真は、使えないものになってしまいます。

カメラマン仲間のあるある話でいうと、撮影がいい感じに進んだのに、カメラがこわれていて、ピントが合っていなかったみたいな。

それが、アシスタントのミスだったりすることもあれば、衣装だったりメイクだったりということもあるわけです。

 

が、知識を持って、ちょっとずつ気にかけていれば、0点は、無なくなります。


・コツは、見て知って直すこと

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・撮影の前に考えてほしいこと
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