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桜 2・記憶の中のトーン

桜が咲くと思い出すのは、小学や中学に通っていた頃の風景かもしれない。


甦るのは、中学の時のテニスコート横の桜。

テニス部員だった僕は、けっこう一生懸命だったから、毎日そこで練習していたのだけれど、テニスと桜は、記憶の中で結びつかない。

でも、その満開の桜がある風景は、鮮明に覚えている。

 

通っていた中学校は、小高い丘の上にあったので、桜の木の背景は、下にある街と遠くに抜けた田んぼの景色だった。

あの頃の空は、今よりもっと青が濃かったように思うし、桜の花とのコントラストも鮮明だった。

記憶の中のトーンで撮ってみようと思い、森林公園と、ちょっと古い風景が残る川崎市営高山団地あたりを歩いた。

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今回は、すべて白黒現像を前提に raw で撮影。
撮影時、偏光などのレンズ前のフィルターは、使っていない。
Adobe Lightroom Classic CC で raw 編集。
センサーのゴミ取り以外のリタッチは無し。

仕事の写真は、リタッチなしで納品することは、ほぼ無いと言って良いのだけれど、こういう写真は、そのままが気持ちいい。

ここでいう raw 編集は、フィルムを現像してプリントを焼くのと同じで、方法は違っても銀塩写真と同じ仕事。
イメージするトーンや色に近づけるために、必要な作業だと考えている。
不要物を消したり、合成したりのリタッチとは違うものだと思う。