
SONY α7RⅢ を売って Nikon Z6を買った。
じつは、SONY から α7RⅣ が発売されたときに悩んだ。
6000万画素超の解像度とAFの凄さは、他のカメラの一歩先を行く。
発売前にSONYストアでさわってみて、α7RⅢ で不満だったこともだいぶ解消されていたから Nikon から SONY への入れ替えは、進めても良いと思っていた。
でも、ひとつだけ、「ちょっと待とう」と思った理由がある。
今年1月のブログで、α を選んだ理由を書いた。
「清水さんのブログを見て、僕も α を買いました」と、言ってくれた方がいたし、何人かの方にオススメもしたので、ちょっと後ろめたいのだけれど、α が悪いわけじゃないです。
良いカメラですから安心して使ってください。
僕の使い方に合わないだけなので。

ちょっと別の話だけれど、スタジオでのポートレイト撮影では、一年ほど前からマンフロットの MVH502AH
というムービー用雲台を使っている。
緩めて動かしてロックしてという手間から解放される。
SmallRig の L 字ブラケットも縦位置撮影に便利。
頭についているのは、ストロボのコマンダー。
コードは、mac とつなぐ USB-C
テザー撮影のソフトは、Adobe Lightroom Classic CC
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可逆圧縮と画素数
僕は、仕事では、ほぼ100%と言って良いほど raw データで撮影する。
JPEGで撮ることは、ほぼないと言ってもよい。
ということは、撮影の後に、必ず raw 編集、現像という作業がついてくる。
カメラの画素数が増えると、その分だけ一枚あたりの現像時間が増える。
変換する画素数やPCの性能によって変わってくるけれど、例えば4000万画素で1枚あたり4秒かかっていたものが、6000万画素になったら6秒になるというような感じ。
少しぐらいいいじゃないかと思うかもしれないけれど、毎日4000枚現像するとしたらどうだろう。
2秒×4000=8000=13分ちょいの差になる。
編集時のタイムラグもあるから、実際にはもっと大きな差になる。
そして、6000万の画素数以上に厄介だなあと思ったことがある。
スペックでは、圧勝のSONYだけれど、Nikon には,あって、SONY には、無いものがある。
データを可逆圧縮する技術。Nikon では、ロスレス圧縮 raw と言っているもの。
圧縮したデータが元通りに復元されるということ。
SONYの場合、重いデータを圧縮しようとすると非可逆圧縮しか選べない。
非可逆圧縮が、実際にどれだけ劣化するのかというと、実は、ほとんどわからない。
よく比べてみると、ハイライト部分のグラデーションが、わずかに失われているというくらい。
気にしなければ気にならないくらいだけれど、プロカメラマンとしては、白のグラデーションが失われるのは、ちょっと困る。
デジカメでの白は、いつもギリギリの勝負どころだから。
なので、SONYを使うときは、非圧縮 raw を使わざるを得ない。

Nikon の可逆圧縮は、こんな感じ。
D850で撮影した4500万画素のデータだが、左が14bit のロスレス圧縮、右が非圧縮のデータ。
一枚あたり36MBの差になる。
α7R Ⅳ の6000万画素だと、確かめてはいないけれど、たぶん110MB くらいになってしまうと思う。
データの大きさは、作業時間と直結している。
現像時間の差とともに気になるのが、Photoshop Camera Raw 編集時の操作と表示のタイムラグ。
90MB 超の非圧縮データだとイラっとすることが、よくある。
6000万画素の非圧縮データに翻弄されるのは、考えると、ちょっと憂鬱。
プロカメラマン(僕の場合だけれど)は、撮影時間の数倍の時間を編集作業に使うから、このちょっとの差が積み重なって、かなり大きなものになる。
と言うわけで、Nikon にするにしても、どうせなら、画素数の多い Z7 より2500万画素の Z6 のほうが良いのじゃ無いかと思った。
普段仕事で納品することが多いサイズは、2500万画素あれば、ほぼカバーできる。
今もメインで使っている D850と、ちょうどいい住み分けができると思った。
大は小を兼ねるとは限らない
自動車の話だけれど、500馬力の車を高速を含む一般道で運転して楽しいかと言うと、そうでもないことが多いと思う。
ワインディングロードなら、適正なパワーの出来のいい小型車で、その、もっている能力を100%出し切ってあげるほうが、はるかに楽しい。
ひらりひらりとコーナリングをこなすクルマで走るワインディングは、あきることがない。
僕の経験では、大パワーは、すぐにあきる。と言うか慣れる。
最初はすごいと思っても、すぐにそれが普通になり、もっとパワーが欲しくなる。
カメラの高解像度にも、慣れると、もっともっとと思う麻薬性がある。
毎度毎度、縮小して使うのなら、単に時間の浪費をしているだけなのに、慣れると気がつかない。
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