写真のこと・カメラのこと

気がつくと時々、壁や木などの質感がある素材を複写のように撮りつづけていることがある。 何に使おうと言うというわけじゃないけど、なんとなく集める。 はがれかけたペンキ、錆びたトタン板、古い車の塗装、侵食された木目、波に磨かれて丸くなった石、光が写り込んだ水の表面そんなものが多い。 何も考えず撮っている、たぶん、好きな質感や模様を集めるのが好きなのかもしれない。 前にどこかに書いたような気もするが、写真の基本は複写だと思っている。 色と形が正確にわかることは、複写の条件だ。 加えて、質感の表現も大切で、写真の中のかなりの部分を占める。
SONY から α7RⅣ が発売されたときに悩んだ。 6000万画素超の解像度とAFの凄さは、他のカメラの一歩先を行く。 発売前にSONYストアでさわってみて、α7RⅢ で不満だったこともだいぶ解消されていた。 でも、ひとつだけ、「ちょっと待とう」と思った理由がある。 スペックでは、圧勝のSONYだけれど、NIKONにはあって、SONYには無いものがある。

今回は、光源そのものについて書きたいと思います。 太陽光、白熱灯、LED、蛍光灯などのことです。 写真を撮っていて、「いつもはきれいに撮れるのに今日は上手く写らない」と言うようなことはありませんか。 それ、光源のが原因かもしれません。 普段の生活で意識することはあまりないかもしれませんが、ある特定の光源の下では色が見えにくくなります。 特に料理の写真は、色が汚いと美味しそうには見えませんから、大事なポイントだと思います。
写真を撮ろうと思ったら、やはり最初に意識したいのは光です。 プロカメラマンとアマチュアカメラマンの違いは、光をコントロールできるかどうかと言っても良いほどです。 面と点って何?と思うかもしれませんが光の質のことです。 食べ物でも、人物の撮影でも、プロマメラマンは、例外はありますが、ほとんどの場合、面光源を使います。 アンブレラやソフトボックスというテントのようなものを見たことがあるかもしれませんが、それは面光源を作る道具です。 反射させたり透過させたりして光を柔らかくし、肌や物の表面を滑らかに表現することができます。 表面の光の写り込みを連続した滑らかな面や線にすることができます。

「どうやったら上手く撮れるんですか?」とよく聞かれます。 人物だったり、その人の仕事に関する専門的なものだったりしますが、一番多いのは食べ物です。 僕は、専門ではありませんが、自動車誌や女性誌の旅企画などで、食べものを撮影することもたくさんありました。 料理がメインの撮影の場合は、しっかり機材を用意しますが、取材の途中に出会った料理を撮ることもあります。 そんな時は、カメラだけ、つまりライティングなしで撮ることもよくありました。 教えて欲しいとは言っても、しっかりライティング機材まで用意しようと思う方は、あまりいないと思います。 機材を用意したとしても、使いこなすためには結構練習が必要というか、本気で勉強しないと無理です。 というわけで、僕がよくやる、料理の撮影のはずじゃなかったのに料理撮るときによくやる方法を書いてみたいと思いました。 ストロボなしですから、基本的に、お店の光を含めた自然光で撮影した写真を集めてみました。
個人的に思っていることなのだけれど、人物を撮るとき、被写体一人に対して大人数で取り囲むようなスタイルは良くないと思っている。 被写体が、俳優のような撮られるプロなら話は別だけれど。 軽量なリチウム電池とデジカメのおかげで、たいていのロケは、アシスタントなしで、一人でこなせるようになった。

今週初め、北海道留萌での撮影があった。 僕は、北海道の酪農学園大学出身で卒業後一年札幌のスタジオで写真修行 していたから、留萌には何度か行ったことがある。 それ以来初めて、つまり38年ぶりの再訪。 車で移動していた記憶しか残っていないけれど、留萌から厚田にかけての 海岸線は、夕日が美しい。 撮影が終わったのが午後4時で、海岸沿いの道を通って石狩経由で千歳に 向かってももぎりぎり間に合いそうだった。せっかくの北海道で、しかも、ばふんうにのシーズンだからかなり迷ったけれど、今回は、食事よりも、あの風景に会いたいと思った。
見て思い出した。このレンズ、三十数年も昔の話だけれど、1年ほど使っていたことがある。 カメラマンとして独立する少し前、下手くそなのに自信満々だった頃。 恥ずかしい話だけれど、このレンズ、じつは、うまく使えなかった。 ピントを合わせるのが難しいし、ブレる。 横道にそれるけど、あの時代、ほとんどのプロカメラマンが、300mm f2.8を使っていた。 電柱だらけで、整理されていない背景に悩まされた、日本のカメラマンの一つの解決方法が、 サンニッパの浅い被写界深度によるボケだった。 長玉だと、選ぶ背景の範囲も狭くて大丈夫。

間口は狭いけれど、奥行きがあって結構広い。 2階は、スタジオになっていて、写真館としても営業しているみたいだ。 店には先客がいて、一眼レフレンズを査定に出しているところだった。 品揃えも豊富で、一品一品程度が評価されていて、商品も動いている感じがする。 カメラ好きには、知られたお店なのかもしれない。 面白いのは、ず〜っとそこにあるのだろうなと思われる、つまり長期間売れていないだろうなというカメラも同居していることだった。 Leica などのようなマニアのカメラではないMinolta や Pentaxといった昔の普通の のカメラやレンズに関して言えば、ぱっとみた感じ、マップ カメラやフジヤカメラなどの有名店よりも在庫が豊富に見える。 値付けも、相場とちょっとずれているものもある。半額くらいと思われるものもあった。 この日は、何かを買おうとは思っっていなかったけれど、つい、ZEISS のレンズを一本買った。 他にも、あったら面白いなというレンズが5〜6本はあった。あぶないあぶない。
ちょっと疲れがたまっていて、走りに行くのが億劫だった。 小雨だけど降っているしな、サボろうかと思った。 それで何となく思い出した。 菜の花のある風景を撮るなら雨の日だと思っていたことを。 場所は、あそこ。自転車で10分くらい。 というわけで、濡れるからレンズ交換はしたくない。 レンズは、ズーム一本だけ。三脚は必要。 カッパ着てカメラと三脚持ってママチャリで。想像するとかなり怪しいが自分自身には見えない。

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